「構造的に見ると、スナップというのは一種の受動なんですよ。でも、撮るカメラを持っている僕というのはやっぱり、大げさに言うとハンターの目つき、意識を持っていますよね。ストリートスナップというのは、僕の考えでは99%が偶然です。その偶然を絡めとりたくて歩きまわっているわけです。そして、残りの1%。自分にとっての必然を見つけ出す作業というか、結局はそこが一番重要だったりします。だから、その1%さえブレていなければ、あとは偶然に任せて撮ればいい。外界は常に流動を繰り返していますから、その変化のなかで、自分の現在と外界の現在とを反応させる。そのプロセスをたどりながら、写真の撮影から写真集の編集までが行われるんです」。
森山大道は、そうした路上撮影のモチベーションとスタイルそのままに、渚ようことのセッションを続けた。一定の姿に限定されない彼女のたたずまいと表情が、撮影場所の風景や季節感と結び付き、カメラ越しにそのすべてをとらえる森山の内的な現在と化学反応を起こす。写真集『NAGISA』(AKIO NAGASAWA PUBLISHING刊)の発売にあわせて、BLDギャラリーで写真展『NAGISA』が 6月13日まで開催される。
中島良平
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